輝くあの女性のように 第18回

三浦洋菓子店 三浦 恵美子さん

ご家族で東京から愛媛に移住し、海辺の街・北条に洋菓子店を開いた三浦さん。家族の時間を大切にする働き方ができたら…そんなライフスタイルを思い描く三浦さんに、愛媛での暮らしや子育て、そしてお店に対する想いをうかがいました。

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三浦さんのヒストリー

1981年 大阪府生まれ
2002年 短大を卒業
2003年 兵庫県西宮のアンリ・シャルパンティエで製造勤務
2006年 大阪から東京へ移り、
Laduree(ラデュレ)銀座店で販売勤務
2012年 退職
2013年 結婚、マカロン・エ・ショコラで勤務開始
2015年 退職し、出産
2017年 愛媛県松山市へ移住
2019年 三浦洋菓子店を開業

移住を考え始めたきっかけ、また愛媛に決めたのはなぜですか?

東京の暮らしがだんだん自分たちに合わなくなってきている感じがあって…。夫とは、以前から「子どもが生まれたら環境が豊かなところで子育てをしたいね」と話していたんです。それで現実的に移住先をどうしようかと考えているときに、寒いよりは温暖な気候で災害が少ない方がいいし、食べ物もおいしいところがいいなど、いろんな条件を挙げていったら必然的に愛媛になりました。
移住の相談やイベントに参加したとき、対応してくださった愛媛の方がすごく気さくで、人柄的にもいいな、自分たちに合っているなと感じました。

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北条を選んだのは何かご縁があったのですか?

松山市内だと、生活環境として東京とあまり変わらないかなと思っていて。移住前に北条のイエムラコーヒーさんと知り合ったのですが、家村さんのライフスタイルが、まさに私たちが目指しているものだったんです。家族との時間を大切にされていて、仕事だけにウエイトを置いていない感じが理想的だなと。そういう方が近くにいるのは心強いと思いました。
それから夫の友人から送られてきた写真も決め手になりました。北条の夕日の景色だったのですが、すごくきれいで。そんな景色が身近にあるのっていいなと思ったんです。

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移住先では開業される予定だったのですか?

そうですね。もともと移住をしたら自分たちでお店をしようと考えていました。家族の時間をベースに仕事をするには、自分たちで働き方を決められる自営業が一番だと思ったんです。家村さんに紹介していただいて北条駅前のこの場所を貸していただくことができ、内装も知り合いの木工屋さん「けーじまん」さんがしてくださって。
みなさんのご協力のお蔭で「三浦洋菓子店」を無事スタートできました。

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三浦洋菓子店のコンセプトを教えてください。

東京では「マカロン・エ・ショコラ」というお店に立ち上げのときから携わっていましたので、「三浦洋菓子店」でもマカロンをメインにしています。
マカロンって色味の綺麗さが一つの特長なので、そのときはある程度着色料を使って色を出していたのですが、夫にはなるべく安心安全なマカロンをつくりたいという想いがありました。
それで今は着色料を使わずに、イチゴとかブルーベリーとか、素材の色で表現したマカロンをつくっています。ほとんど夫が一人でつくっているので、焼き菓子や生菓子は不定期の登場となります。私も昔はパティシエをしていたのですが、今はマカロンのクリームをサンドするくらいです。(笑)
知り合いの農家さんが果物や野菜を分けてくださるので、いろんな素材を掛け合わせたジャムづくりも楽しんでいます。そういう楽しみも「ゆとりを持たせた働き方」にしたからだと思いますね。

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ライフスタイルを変えてこその気づきですね。

そうですね。今まで“なんでこんなに急かせかしていたんだろう”って。東京にいた頃はあっという間に一日が終わるという感じでしたが、今はそこまで密にならず気持ちにも余裕ができてきて、家事は家事、仕事は仕事、子育ては子育て、とバランスよく成り立っていると思います。以前のように定休日も少なく、夜までお店をしていたらなかなか難しかったでしょうから。
移住してから家族で過ごす時間は確実に増えました。今は15時にお店が終わるので、娘のお迎えは夫が行ってくれます。私が家事をしている間も娘と遊んでくれたり、気を遣って遊びに連れて行ってくれたり。一人の時間をつくってくれるので、ありがたいです。

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ゆかりのない場所での仕事や子育て、大変ではないですか?

夫は神奈川県、私は大阪府出身なのでどちらも愛媛からは遠いです。距離的にも両親からのサポートは得難い環境ではありますが、本当に地域のみなさんに支えられているなと感じます。保育園がお休みの日は娘をお店に連れてくることがあるのですが、お客さんが相手をしてくれるんですよ。とてもありがたいなぁと思いますね。
また、お店の近所には娘と同年代の子どもを持つ自営業のご夫婦が何人かいて、とても心強いですよ。みなさんとても自然体でされているので、自分たちもそんなお店でありたいなと思います。

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今後のビジョンを教えてください。

娘が小学生、中学生になったらどうなるか、まだ先のことは見えないのですが、その時々で家族のスタイルにあわせてお店も柔軟に変化させていけたらと考えています。年齢とともに働き方も変わってくると思いますし。
移り住むまではそこまで意識していなかったんですが、鹿島の存在は大きいですね。車を運転していても、鹿島が見えてくると「帰ってきたな」とホッとするんです。娘にとっては北条が地元になるんだなぁとしみじみ考えると、やっぱり移住してきてよかったなと思います。

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タイムスケジュール

6:30 起床・家事・朝食
娘の支度を促す
7:50 園の送迎バスまで送る
8:40 帰宅
お店に行く準備
9:00 お店到着
開店準備
10:00 お店オープン
13:00 昼食
15:00 お店クローズ
片付け、翌日の準備
16:00 帰宅
夫が園まで娘を迎えに行くのでちょっと休憩
17:00 家事
掃除、洗濯物の取り込み、夕食の準備
18:30 夕食
19:30 片付け、お風呂の準備、娘と遊ぶ
20:00 お風呂、寝る準備、絵本を読む
21:00 娘とおしゃべり、就寝

【好きなモノ、こと】

【好きなモノ、こと】

これから「ハタラク」あなたに、三浦さんからのメッセージ

本当に、たいそうなことは言えないのですが…、女性って結婚や妊娠、出産が大きな転機になりますよね。そのときに、どんな選択をするか、すごく悩むと思うんです。私たちも東京での生活に疑問を感じていなかったら、そのままずっと東京で暮らしていたかもしれません。でも、「仕事」ではなく「家族の時間」を大切にしようと二人で話し合い、移住という選択をしました。
だから、「やりたい」と思ったとき、意識したときが環境の変え時なのかなと思います。現に私は、今の暮らしで嫌だと感じたことは一つもないですね。このライフスタイルがとても気に入っています。

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果物や野菜の自然な色合いがやさしい「媛マカロン」が名物

三浦洋菓子店

愛媛県松山市北条辻1333-9
電話番号/070-4449-5283
営業時間/10:00〜15:00
定休日/日・月・火・水曜(臨時休みはFacebookでお知らせ)
詳細はfacebookをCheck!
愛媛県の素材にこだわり、着色料や香料、保存料を使わない、おいしく安心して食べられるお菓子づくりをしています。