長年、教育業界に携わり約1300人を担任してきた経験を生かし子育てや子どもの学習に悩む保護者のお役に立ちたいという思いから、子育てママの「子どものまなび」についてサポートする「まなびの窓口」を開いた川内真紀さん。自身も子育て真っ只中という立場からママたちに寄り添う、その想いを伺いました。
川内さんのヒストリー
1977年 | 愛媛県松山市生まれ |
1999年 | 奈良女子大学理学部数学科卒業後、 大阪、鹿児島、愛媛の学校や大手学習塾に 講師として勤務 |
2014年 | 結婚、長女を出産 |
2016年 | まなびの窓口を開業する |
塾の講師をされていた川内さん。「まなびの窓口」を開いたきっかけとは?
大学卒業後、大阪、鹿児島、愛媛で塾や学校の講師を経験しました。大阪では教材やテストをすべて自分で作成、イベントなどの企画運営もしたり、鹿児島では生徒を集めるための取り組みに携わり、管理職として経営に関わらせていただいたり。それぞれの職場で授業だけでなく様々な仕事をさせていただきました。特に転機となったのは、鹿児島の個別指導塾時代、不登校や発達障がいの子と関わる機会が増え、子育てに悩んでいるお母さんと出会ったこと。 中には、内申書などを気にして学校にもなかなか相談に行けないというママさんもいらっしゃって、「うちの子、家庭内暴力しているんですよ」という相談を受けることもありました。うちの塾には、お母さんたちがよく相談に来てくれました。
その後、人生の転機はいつ訪れたのですか?
鹿児島から愛媛に戻り、塾の講師をしていましたが、出産を機に辞めることになりました。母親も病気をしており頼れない状況でしたので、しばらくは子育てに専念していたのですが、次第に「このままでいいのだろうか」と思いはじめて…。その時にふと目に付いたのが、「ワークライフコラボ」さんがやっている「なでしこドリームプロジェクト」。女性の起業を応援する講座でした。特に起業を考えていたわけではなかったのですが、何かヒントが得られるかなと思い参加しました。そして、講座で女性起業家の方がおっしゃった「自分の頑張っている姿を娘に見せたい」という言葉が胸に刺さり、改めて自分に何ができるか、見つめ直すきっかけをいただきました。 「今まで自分がやってきたこと、出会った人のことを思い出したらいいですよ」とのアドバイスを受けて振り返ってみたとき、一番に思い出したのは、鹿児島で出会ったお母さんたち。子育てに困っているお母さんのためになることができないか。学び、学習に特化した相談窓口は他にないので、じゃあ自分でやってみようかと、一念発起しました。
具体的にはどのようなことをされているのですか?
「まなびの窓口」には4本の柱があります。①教育相談・カウンセリング、②まなびの場の紹介、③塾やフリースクール、家庭教師のコンサルティング、④イベント・セミナーの企画運営。教育相談やカウンセリングでは子育て相談や家庭学習の方法のアドバイスなどを行います。また塾を探されている方には、お子さまの性格や状況を聞いて、お子さまに合う塾を紹介しています。
そして入塾された後は、ご家庭と塾の間に入って、ママさんが言いにくいことなどを塾に伝え今後の指導に活かしてもらうようコンサルティングをしています。このような活動をきっかけに愛媛学習塾連盟の定例会議にも参加するようになり、現在はオブザーバーとして関わらせていただいています。
イベントに関しては、主にママさん向けに行っています。そこでいろんな女性起業家さんとの出会いがあり、最近「ママさん情報交換会実行委員会」という団体を立ち上げました。コンセプトは、孤独に子育てをする「孤育て」から共に育てる「共育て」へ。ママさんが集まって相談や情報交換をする場所を作りたいということで活動しています。「小学校入学に向けてのママさん情報交換会」や「幼児教育のママさん情報交換会」、親子で参加できるイベントなどを企画運営。ママさんだけでなくパパさんが来てくださることもあるので、ゆくゆくはパパさんも一緒に来てもらえるようなスタイルにしていきたいと思っています。
ご家族のサポート面はいかがですか?
娘は今、週に2〜3日保育園に預けていますが、夫が家にいる時は、よく面倒を見てくれて助かっています。というのも、夫は単身赴任のため2週間不在で、1週間お休みというサイクル。休暇中は食事の用意にゴミ出しなど家事も手伝ってくれるので、その間に仕事を一気に進めることができています。夫は私の仕事を理解し、応援してくれているのですが、それは最初からなんでも相談していたのが良かったのかなと思います。事後報告ではなく、細かいことも報告、相談しながら、そして自分の思いをぶつけすぎないようにしてきました。例えば「今自分はこう考えているんだけど、どう思う?」と問いかけて、意見やアドバイスをもらいながら進めてきました。おそらく夫も「まなびの窓口」は一緒に作り上げてきたものと思ってくれているはず。私が小さなハードルを一つずつ飛び越えてきたように、夫も一緒にそのハードルを越えてきてくれました。「まなびの窓口」の名前も一緒に考えましたし。ネーミングセンスや文章力は夫の方があるんですよ。
川内さんの「これから」についてお聞かせください。
本当に困っている人、悩んでいる人、必要としてくれている人にまなびの窓口の情報を届けるのが自分の使命。そのためにも、もっとたくさんの塾の情報を集め、最近の教育事情に関して敏感な人でいないといけないと思い、多くの文献から情報を収集し、地元で開催される教育に関するセミナーなどにも積極的に出かけるようにしています。「学習で悩んだらこの人に聞けばいい」という存在になるためには、自分自身を高めていくことにエネルギーを注いでいかなければと考えています。また、ママさんが今どういうことに悩んでいて、どういう情報を必要としているかを汲み取ることを大切にしながらママさんたちに寄り添い、身近な存在でありたいと思います。
タイムスケジュール
7:30 | 起床 家族で朝食、掃除。子どもの身の回りの支度と登園準備 |
9:00 | 登園 子どもを保育園に送り届けてから帰宅。保育園まで車で往復30分 |
10:00~12:00 | イベントやセミナー開催。それらがない時は自宅にて家事や事務作業 |
12:00~13:30 | 昼食、午後からの準備など |
13:30~16:30 | 塾の取材やミーティング、コンサルティング業など |
16:30~17:00 | 保育園にお迎え |
17:00~18:30 | 買い物、夕飯準備、洗濯物など |
18:30~19:30 | 夕食 |
19:30~20:30 | 片付け、入浴、寝かしつけ |
20:30~1:00 | 家事、事務作業 |
1:00 | 就寝 |